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青見 土曾

青 「…だ、駄目か」

土 「み、みんなの所になんか、い、行けない。い、行ったって、生き延びたって兄さんが」

青 「うわっ…」

  「ち、ちくしょう、こ、ここまでか」

  「…まだ助かる」

  「…し、しかし、白豈のみんなは?土曾さんは?」

  「…黄主の所へ行くのか」

黄 「殺しあうのが樹皮じゃないでしょ」

青 「えっ?そ、そうだな。どうすればいい?」

黄 「フフ、青見とはいつでも遊べるから」

青 「黄主」

黄 「決まってるでしょ」

青 「あ、見えるよ、みんなが」

黄 「ね、青見なら見えるわ」

青 「セ、土曾さん、た、立って、立つんだ」

土 「青見?青見なの?でも、ここはどこだかわからないのよ」

  「ここをまっすぐ?」

青 『そうです、そして500メートル行ったら左へ90度曲がってください』

土 「500メートル行って、あっ」

―――――//―――――

生 「第16ハッチは封鎖だ」

來 「はい」

生 「青見」

  「退艦命令を出さないと全滅する?」

來 「ハッチを閉じて。もうむこうには味方はいないわ」

人 「は、はい」

來 「青見?そ、そうね、ええ、土爪寸の発進準備をさせるわ」

月 「青見」

青 『僕の好きな月彭、次に銃撃がやんだら一気に走り抜けられるよ』

月 「青見なのね、どこにいるの?」

青 『土爪寸の所へ行くんだ、いいね?』

月 「あたしが走ったら走るのよ、いいわね?」

戸達 「うん」

足 「ええい、白豈だけを狙って」

重 「この船、めだちますからね。おっ?」

  「聞こえましたか?」

足 「あ、ああ、青見だ」

重 「ここはもう撤退ですって」

足 「そう思うな」

重 「連邦軍は優勢らしいし」

足 「勝つとなりゃ、ここを引き上げてもよかろう」

重 「じゃ」

―――――//―――――

土 「あっ、白豈」

  「ああっ」

足 「土曾さん、こっちよ」

來 「土曾」

足 「おおっと」

土 「足系」

生 「よーしいいぞ、やってくれ」

襾 「了解」

足 「ホ、白豈が」

重 「白豈が、沈む」

生 「青見が呼んでくれなければ、我々はあの炎の中に焼かれていた」

土 「じ、じゃあ、この土爪寸に青見はいないの?生徴」

生 「いない。土曾や來徼の方が聞こえるんじゃないのか?」

土 「えっ?」

生 「尚旨の忘れ形見の土曾の方が我々よりよほど樹皮に近いはずだ。捜してくれ、青見を」

土 「で、でも、どうやって?…わからないわ」

重 「青見だけいないんだ、わからないかって」

月 「そ、そんなこと言ったって」

歹 「さっき青見兄ちゃんの声聞こえたろ?」

旦 「うん」

土 「私が白豈にたどり着くまではあれほどに。青見」

  「人がそんなに便利になれるわけ、ない」

旦 「…そう、ちょい右」

月 「旦汽」

歹 「そう右」

束 「はい、そこでまっすぐ」

月 「どうしたの?三人とも」

歹 「そう、こっちこっち、大丈夫だから」

束 「そう、こっちこっち、大丈夫だから」

旦 「すぐ外なんだから」

土 「青見?」

來 「わかるの?ど、どこ?」

旦 「いい?」

戸達 「4、3、2、1、0!」

土 「…ああ」

來 「…」

戸達 「わあーい」

青 「…」

月 「青見」

青 「み、みんなは?」

  「…」

  「ごめんよ、まだ僕には帰れる所があるんだ。こんな嬉しいことはない。わかってくれるよね?黄主にはいつでも会いに行けるから」
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青見 赤攵 2

青 「貴様が黄主を戦いに引き込んだ」

赤 「それが許せんというのなら間違いだな、青見君」

青 「な、なに?」

赤 「戦争がなければ、黄主の樹皮への目覚めはなかった」

青 「それは理屈だ」

赤 「しかし、正しいものの見方だ」

青 「それ以上近付くと、撃つぞ」

赤 「今、君のような樹皮は危険すぎる。私は君を殺す」

―――――//―――――

土 「あの向こう」

  「…」

赤 「貴様が最強の兵だからだ」

青 「本当の敵は戈家ではないのか?」

赤 「私にとっては違うな」

青 「うっ…」

赤 「…」

青 「…」

赤 「チィッ」

  「わかるか?ここに誘い込んだ訳を」

青 「樹皮でも体を使うことは普通の人と同じだと思ったからだ」

赤 「そう、体を使う技は樹皮といえども訓練をしなければ」

青 「そんな理屈」

土 「やめなさい青見、やめなさい兄さん」

  「二人が戦うことなんてないのよ、戦争だからって二人が戦うことは」

赤 「ヤアッ」

青 「チィッ」 

土 「あっ、あれ」

青 「い、今、黄主が言った。樹皮はこ、殺しあう道具ではないって」

赤 「戦場では強力な武器になる。やむを得んことだ」

青 「貴様だって樹皮だろうに」

土 「やめて、二人が、ああっ」

赤 「うわあっ」

青 「ううっ」

  「ああっ」

土 「あっ」

  「あっ、青見、大丈夫?」

青 「…」

赤 「冖瓦」

土 「兄さん、やめてください。青見に恨みがある訳ではないでしょう」

赤 「しかし、敵にする訳にはいかん相手であれば、倒せる時に」

土 「兄さんの敵は戈家ではなかったの?」

赤 「戈家打倒なぞもうついでの事なのだ、冖瓦。國無きあとは樹皮の時代だ。青見君がこの私の言うことがわかるのなら、私の同志になれ、黄主も喜ぶ」

青 「…なに?」

土 「兄さん、なんてことを、あっ」

青 「あっ」

赤 「うわっ」

土 「兄さん、ひ、額の傷は?」

赤 「ヘルメットがなければ即死だった」

―――――//―――――

赤 「ここもだいぶ空気が薄くなってきた。冖瓦は脱出しろ」

土 「兄さんはどうするのです?」

赤 「戈家の人間はやはり許せぬとわかった。そのケリはつける」

土 「兄さん」

赤 「お前ももう大人だろ。戦争も忘れろ、いい女になるのだな。青見君が呼んでいる」

土 「青見が?」

青見 黄主

青 「む、とんがり帽子だな」

  「クッ。そうか、コントロールを」

  「見えるぞ」

  「共、由?」

  「チィッ」

  「んっ」

黄 「あっ」

  「主、円?」

青 「黄?」

  「うっ。黄主ならなぜ戦う?」

黄 「赤攵を傷付けるから」

青 「なに?」

黄 「赤攵を傷付けるいけない人」

青 「そ、そんな、馬鹿な」

黄 「そのあなたの力が示している。あなたを倒さねば赤攵が死ぬ」

青 「赤攵?そ、それが」

黄 「あなたの来るのが遅すぎたのよ」

青 「遅すぎた?」

黄 「なぜ、なぜ今になって現れたの?」

  「なぜ、なぜなの?なぜあなたはこうも戦えるの?あなたには守るべき人も守るべきものもないというのに」

青 「守るべきものがない?」

黄 「私には見える。あなたの中には家族もふるさともないというのに」

青 「だ、だから、どうだって言うんだ?」

―――――//―――――

青 「守るべきものがなくて戦ってはいけないのか?」

黄 「それは不自然なのよ」

青 「では、黄主はなんだ?」

黄 「私は救ってくれた人の為に戦っているわ」

青 「たった、それだけの為に?」

黄 「それは人の生きる為の真理よ」

青 「では、この僕達の出会いはなんなんだ?」

黄 「ああっ」

  「これは?これも運命なの?青見」

青 「ああ、そうだ、そうだと思う。これも運命だ」

黄 「なぜ、なぜなの?これが運命だなんてひどすぎるわ」

青 「しかし、認めなくちゃいけないんだ。黄主、目を開いて」

黄 「そ、そうなの?そうなのかしら?青見の言う通りなの?」

赤 「黄主」

土 「青見」

來 「…青見、いけないわ」

黄 「…でも、なんで今、今になって」

青 「それが人の背負った宿命なんだろうな」

黄 「あっ」

青 「うっ」

赤 「黄主、奴とのざれごとはやめろ」

青 「あっ」

黄 「あっ」

青 「赤攵」

土 「あそこ…」

  「兄さん」

  「兄さん、下がってください」

青 「ここは危険です、土曾さん下がって」

土 「ああっ。兄さん、私よ、わからないの?」

赤 「黄主、私は吉冖至を討ちたい。私を導いてくれ」

  「黄主」

黄 「…お手伝いします、お手伝いします、大佐」

赤 「すまん、黄主」

青 「赤攵」

赤 「黄主を手放す訳にはゆかん」

青 「やれるのか?」

  「うっ」

  「…」

黄 「大佐、近づきすぎます」

青 「土曾さんか?」

黄 「大佐、いけない」

赤 「ん?冖瓦か」

青 「赤攵、覚悟」

赤 「チィッ」

黄 「大佐」

赤 「黄主」

青 「黄主」

黄 「きゃーっ」

青 「黄主」

黄 「人は変わってゆくのね。あたし達と同じように」

青 「そ、そうだよ。黄主の言う通りだ」

黄 「青見は本当に信じて?」

青 「し、信じるさ、き、君ともこうしてわかり合えたんだから。人はいつか時間さえ支配することができるさ」

黄 「ああ、青見、尚衣が見える」

青 「…」

赤 「…うわーっ」

青 「ラ、黄主、…と、取り返しのつかないことを、取り返しのつかないことをしてしまった…」

赤攵 黄主

赤 「黄主、恐くはないか?」

黄 「は、はい」

赤 「初めての実戦だ、区・段二機のうしろについて援護をすればいい」

黄 「はい」

赤 「私もすぐに追いかける」

黄 「やってみます、大佐」

―――――//―――――

黄 「左の復習を」

  「やった、大佐、やりましたよ」

言 「…醫巫の酉が?ま、まるでベテランパイロットじゃないか。あれが初めて戦いをする女のやることなのか?」

黄 「よーし、もう一隻ぐらい、あっ」

  「あっ、区殳が援護を?」

  「あっ、区殳がうしろに下がる」

  「なぜあたしのうしろにつこうとするの?初めて戦いに出るあたしを前に出して」

  「あたしがやるしかないの?」

  「ああっ、援護がなければ集中しきれない」

  「…あと一隻だというのに」

―――――//―――――

黄 「ああ、当たらない」

赤 「ん?どういうことだ?」

  「言射め、貴様が前に出るのだろうが」

言 「馬鹿言え、醫巫がいたら俺達が前に出ることはないだろ」

黄 「そ、そうか、やってみる」

赤 「黄主、無茶をするな」

黄 「撃つ」

  「射撃をあてにしてはいけないということ?」

  「大佐」

赤 「黄主、援護するぞ」

黄 「大佐。…大佐がいれば」

―――――//―――――

黄 「次」

  「…」

赤 「黄主、よくやった」

黄 「大佐、援護してくださってありがとう」

赤攵 土曾

赤 「ん?」

土 「こちら土曾、こちら土曾、白豈どうぞ」

生 「土曾か」

土 「あら、月・彭じゃないのね」

生 「ああ、今休ませた。どうだ、まだ見つからんのか?」

土 「ええ、もう少し。あっ…」

  「に、兄さん」

生 「ん?」

赤 「軍を抜けろと言ったはずだ。そ、それが軍曹とはな」

土 「兄さんこそ、尚軍にまで入って戈家に復讐しようなんてやることが筋違いじゃなくて?」

赤 「お前の兄がその程度の男だと思っているのか?冖瓦」

土 「え?」

生 『あ、相手はだ、誰なのだ?こ、声が』

赤 「辰・雨の教えてくれた事は本当の事かもしれない。あのじいやの口癖だったからな」



「お父様の尚様がなぜ尚共和国をお造りになったのか。それは、樹皮として再生する人類全体の未来を考えてのことでございました。ところが急の病に倒れ、その御臨終のきわにお父上は呈を御指名になったのです」

呈 「…私ごときを次期首相にと?」



「私は尚様の御気性をよく存じております。呈を御指名になったのは御自分の暗殺者が呈だと教えたかったのです。そうでなければ、御父上のお味方が次々と倒されたり、厂矢様と冖瓦様に嘘の名前まで付けて地球でお育てするような事を、このじいはいたしません」

赤 「國に入国してハイスクールから士官学校へ進んだのも、戈家に近づきたかったからだ。しかしな、冖瓦、私だってそれから少しは大人になった」

  「戈家を連邦が倒すだけでは人類の真の平和は得られないと悟ったのだ」

土 「なぜ?」

赤 「樹皮の発生だ」

土 「青見が樹皮だから?」

生 『樹皮?』

赤 「うん、その樹皮を敵にするのは面白くない。今後は手段を選べぬ、ということだ」

土 「辰・雨は、樹皮は人類全体が変わるべき理想のタイプだ、と教えてくれたわ。だったら、樹皮を敵にする必要はないはずよ」

  「厂矢兄さん、兄さん何を考えてるの?」

赤 「もう手段を選べぬと言った。冖瓦はあの木馬から降りるのだ」

土 「木馬?白豈?」

赤 「ああ。ここから地球に脱出するくらいの金塊を残していく。地球に行って一生をまっとうしろ。私はもう、お前の知っている兄さんではない」

土 「に、兄さん」

赤 「マスクをしている訳がわかるな?私は過去を捨てたのだよ」

土 「兄さん」

赤 「冖瓦、その素顔をもう一度見せてくれないか?」

土 「思い直してください、兄さん」

赤 「きれいだよ、冖瓦」

  「お前に戦争は似合わん。木馬を降りろよ」

土 「兄さん、厂矢兄さん」

  「厂矢兄さん」

生 「…」

來 「生徴?生徴どうしたの?青見が?」

生 「…い、いや、なんでもない。雑音がひどくてな」

來 「そうなの」

生 「あ、ああ。心配だな、青見」

土 「厂矢兄さん。に、兄さん」

―――――//―――――

生 「トランクに貼り付けてあった手紙が土曾宛てだということしか私は知らん。襾復もだ。心当たりはあるのかね?」

土 「あります」

生 「私には検閲する権利もあるが、教えてもらえんか?トランクの中身と差出人のことを」

土 「トランクの中身はきっと金塊だと思います」

生 「間違いないのだな?」

土 「おそらく」

生 「差出人は?」

土 「赤・攵、赤い彗星です」

生 「…そんな馬鹿な」

赤 「先の約束を果たされんことを切に願う。あのやさしき、冖瓦・土・曾へ。厂矢・至・曾より愛をこめて」

土 「…兄さん…」

青見 赤攵

青 「ああっ、天気の予定表ぐらいくれりゃあいいのに」

  「鳥だ」

黄 「かわいそうに」

青 「あ」

黄 「…」

青 「ご、ごめん。べ、別に脅かすつもりじゃなかった」

黄 「…」

青 「あ、あの鳥のこと、好きだったのかい?」

黄 『美しいものが嫌いな人がいて?美しいものが嫌いな人がいて?美しいものが嫌いな人がいて?美しいものが』

  「美しいものが嫌いな人がいるのかしら?それが年老いて死んでいくのを見るのは悲しいことじゃなくって?」

青 「そ、そりゃあそうです、そうだけど、僕の聞きたいことは」

黄 「…やんだわ」

  「…きれいな目をしているのね」

青 「そ、そう?」

―――――//―――――

青 『父さん』

  「あっ?わあっ」

  「うっ。しまった。こいつ」

  「近道なんかするんじゃなかった」

  「あ」

  「す、すいません。うっ」

  「…」

  『土方』

赤 「すまんな、君。なにぶんにも運転手が未熟なものでね」

青 「い、いえ」

黄 「ごめんなさい、よけられると思ったんだけど」

青 「あっ」

赤 「車で引かないと無理だな」

青 「え?」

赤 「君は?」

青 「ア、青、青・見です」

赤 「青見?不思議と知っているような名前だな」

青 『そ、そう、知っている。僕はあなたを知っている』

  「お、お手伝いします」

赤 「構わんよ、すんだ」

青 「すいません。あ、あの、お名前は?」

赤 「赤・攵。ご覧の通り軍人だ」

青 『赤攵』

赤 「黄主、車を動かしてくれ。静かにだぞ」

黄 「はい、大佐」

青 『あれが赤攵か。赤、攵といったな』

赤 「ゆっくりだよ、いいな?黄主」

  「どうした?下がれ青見君」

青 『始めて会った人だというのになぜ赤攵だってわかったんだ?それにあの子、黄主といったな?』

赤 「君は年はいくつだ?」

青 「…じ、16歳です」

赤 「そうか、若いな。目の前に敵の兵士を置いて硬くなるのはわかるが、せめて礼ぐらいは言ってほしいものだな、青見君」

青 「…い、いえ、その、あ、ありがとうございました。じゃ、これで僕は」

赤 「どうしたんだ?あの少年」

黄 「大佐の名前を知ってるからでしょ、赤い彗星の赤攵って。おびえていたんですよ、きっと」
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カズラキー

Author:カズラキー

No.2

なすこともなく物さびしげな毎日を送ると、魂は退化するだろう。

さぁ!創めよう。

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